D社の実例

組織の活性化は能力主義人事制度の整備から

〔D社の問題点〕

製造業の当社は、創業時の陳腐化した社内諸規程が形式的に存在していましたが、見直しや変更届の提出がなく、このことが人材の確保や社員の定着率の低さに影響していました。

就業規則や賃金規程の見直し・作成に当たり、つぎはぎの人事制度の部分的な見直しではなく、時代にマッチした新しい能力主義人事処遇を体系的に設計すべきだとの結論に達し、トータル人事システムの設計・構築への運びとなりました。

〔改善の方向性〕

組織の活性化をめざし、「目標管理制度」を全社的に導入すると共に、その成果を新しい人事考課制度とリンクさせ、社員のヤル気を醸成していくことにしました。

昇格・昇進や昇給・賞与に反映させる制度導入で、社内の意識高揚が図られています。

〔具体的な解決策〕

(1)就業規則(一般社員用、パートタイマー用)の見直し・再作成。

(2)人事考課制度を設計すると共に、管理者層の「考課者訓練」を実施し、公正・公平な評価を徹底。

(3)成果・業績と能力開発を組み入れた能力主義賃金制度を設計し、人事考課制度とリンク。

(4)目標管理制度を全社に導入し、個人目標は業績目標だけでなく、各人のレベルに合った能力開発目標も申告させ、人材育成を強化。

(5)平成22年に廃止される「適格退職年金」を「ポイント型退職金制度」に変更。



〔D社への支援が成功したポイント〕


(1)ヤル気のある社員のモチベーション向上に真摯に取り組み、成果主義が浸透し、社員の意識改革が進んだこと。

(2)目標管理制度の導入により、社員の目標や役割が明確になると共に、能力開発にも全社挙げて取り組み出したこと。

(3)透明性の高い人事評価制度によって、社員の「ヤル気」を喚起したこと。

(4)経営トップの人材育成に対する前向きな基本姿勢が確立されたこと。

(5)経営面で信賞必罰の基本理念が徹底され、従来からの事なかれ主義が一掃されたこと。